PEANUTSで、チャーリーブラウンがルーシーからされるフットボールのいたずらは、毎年繰り返されています。
ルーシーは、チャーリーブラウンがフットボールを蹴る寸前にフットボールを上にどかし、チャーリーブラウンは勢い余って転倒してしまうのです。
①【チャーリーブラウン ルーシーのフットボールのいたずら】思いついた
1951年11月14日、バイオレットがフットボールを地面に縦にして置いて、恐る恐るボールの上を指で支えています。
まだバイオレットは三つ編みのお下げ髪の頃でした。
チャーリーブラウンがボールを蹴るというものですが、バイオレットは自分の手を蹴られるのではないかと思い、怖くて耐えられずボールを放し、ハイハイして後ろへ後ずさりします。
そこへチャーリーブラウンが走ってきますが、フットボールがないため転倒して目を回します。
これはいたずらではありませんでしたが、フットボールを支えていたバイオレットは怖かったですね。
1952年11月16日、チャーリーブラウンがルーシーに「ボールを支えててくれればいいんだよ、ルーシー、ぼくが走ってきて蹴るから…」と言います。
この時です。ルーシーにひらめいたのです。後々まで続く、ルーシーがフットボールをどかすいたずらが始まったのです。
ルーシーはチャーリーブラウンがフットボールを蹴る寸前に、フットボールを上にどかし、チャーリーブラウンは勢い余って転倒してしまいました。
ルーシーはチャーリーブラウンに、新しいフットボールをチャーリーブラウンの汚い靴で汚されたくなかったと言います。
そのためチャーリーブラウンは、再度ルーシーにボールを支えてもらいましたが、ルーシーは同じようにボールをどかしました。
チャーリーブラウンは仰向けになったままルーシーに苦情を言いますが、ルーシーは笑顔です。チャーリーブラウンは一度宙に舞い仰向けになるのです。
②【チャーリーブラウン ルーシーのフットボールのいたずら】信じている
1956年9月12日、チャーリーブラウンはシュローダーにフットボールを支えてもらっています。
シュローダーはボールをどかしません。ボールは勢いよく飛んでいきました。
これはボールを支えているのも、バイオレットが後ずさりしたように怖いと思うのですが、シュローダーは男の子だから怖がらなかったのですね。
1957年9月22日、ルーシーから、支えているからボールを蹴るように、チャーリーブラウンに誘いをかけています。
チャーリーブラウンは前回でこりているので「いやだよ!」「とんでもない話だ!」と言い拒否します。ところがチャーリーブラウンは、ルーシーの上手な言い回しを信じて、またボールをどかされてしまいました。
ルーシーは「あなたを尊敬するわ、チャーリーブラウン…人間性ってものを信じきってるのね…」と言います。
ルーシーはチャーリーブラウンに信じてもらえて満足だとしても、転倒したチャーリーブラウンはたまったものではありませんね。
③【チャーリーブラウン ルーシーのフットボールのいたずら】それでも信じる
毎年(8月)、9月、10月、または11月になると、ルーシーのフットボールいたずらが必ずあります。一年に一度です。
チャーリーブラウンは、どうせまたルーシーにフットボールを引っ込められて、勢いでひっくり返って 目を回すんだ、誰がその手にのるものかと思うのは当然です。
しかしルーシーに、人を信じることは大切と言われると、チャーリーブラウンはその気になりルーシーを信じてみようと思うのです。
そうなのです。チャーリーブラウンは心のどこかで、ルーシーはもうフットボールを引っ込めないと、ルーシーのことを信じるのです。
チャーリーブラウンは男の子であることもあり、ボールを蹴ってみたい気持ちもまんざらではなく、そしてまたルーシーにボールをどかされるのです。
チャーリーブラウにはルーシーを信じる気持ちがあり、ルーシーの言い回しはどんどん上手になっていきます。
ルーシーはなんとかチャーリーブラウンをうまくひっかけようと、毎年いろいろな騙し言葉を考えてきます。唯一、チャーリーブラウンが怪我をしないことが救いです。
④【チャーリーブラウン ルーシーのフットボールのいたずら】仕返し
1965年10月、チャーリーブラウンをひっかけようとたくらむルーシーは「タラランランララ」と歌いごきげんです。
チャーリーブラウンはあることを考えました。「今年は待たせてやるのさ!真夜中までだってここに座って待たせてやる!」というものです。今までの仕返しです。
チャーリーブラウンは家の中で椅子に座り、ルーシーがボールを支えながらもよく眠っている時に、チャンスだと言い、ボールに走っていきました。
しかし、チャーリーブラウンは失敗に終わりました。残念です。
ルーシーの勝ちです。ルーシーが言うには「わたしたち狂信者は眠りが浅いのよ」ということで、ルーシーは寝たふりだったのです。二人のかけ引きになっています。頭を使った者の勝ちです。
その後のルーシーは悪知恵が募ると、いたずらの前の鼻歌も高らかになっていきます。「チャーリー・プラァウンンンン」と歌います。
またはルーシーは、チャーリーブラウンは信じてくれないと言い、泣いてみせたりします。
ルーシーもあの手この手です。
⑤【チャーリーブラウン ルーシーのフットボールのいたずら】どかさなかった
チャーリーブラウンにしてみたら、 またしても寸前のところで蹴れなかった、という悔しさが毎回あると思います。
だから、トライ精神で今度こそ、というところです。
1979年8月2日、チャーリーブラウンは野球の試合中、めまいと吐き気で体調不良になり数日間入院した後、退院し元気いっぱいです。
チャーリーブラウンとルーシーの間に、チャーリーブラウンが退院したら、もうボールは引っ込めないという約束がありました。
そして、チャーリーブラウンは、やる気満々でルーシーに挑戦するのです。
ルーシーは迷い考えた末、本当にフットボールをどかしませんでした。
しかし、チャーリーブラウンは、ルーシーの手の指を間違えて蹴ってしまい、ルーシーは痛がっています。
フットボールは飛びませんでした。
ルーシーは退院してきたチャーリーブラウンに、フットボールを蹴らせて喜ばせたかったのだと思います。
いつも得意そうに意地悪するルーシーですが、退院したてのチャーリーブラウンとの約束は守りました。ボールをどかそうと思えばどかせたとしても、さすがのルーシーもそこまでの意地悪はしませんでした。
ルーシーはわきまえているのですね。実はルーシーは優しいのだと思います。
そのことを一番よく分かったのは、チャーリーブラウンだと思います。
その場では分からなくても、きっと後から分かるものですね。
⑥【チャーリーブラウン ルーシーのフットボールのいたずら】ついに断わった
1983年10月、ついにチャーリーブラウンは、誰がもうやるもんかと、ルーシーにバカにされていると思い、誘いにのらずにその場をを立ち去りました。
チャーリーブラウンは立ち去る時に「うれしいことにぼくがまたそれにひっかかるほどボンクラだと思ってるのは、世界中できみひとりだけだよ…」と言います。
すると5人の仲間が、フットボールを支えたルーシーのいつものポーズで、芝生の上に揃って座り、にんまりしています。
ペパーミントパティとマーシーがいます。
その中には、サリーとスヌーピーもいます。
よく見るとウッドストックまでいます。
でもこれは、チャーリーブラウンのことを、おもしろがったりバカにしているのではないと思います。
皆のユーモアなのです。
チャーリーブラウンは人気者なのです。
⑦【チャーリーブラウン ルーシーのフットボールのいたずら】続いていく
このルーシーのいたずらは、その後もずっと続いていきます。
1986年10月、ルーシーはチャーリーブラウンに、走ってきてボールを蹴るように言うと、チャーリーブラウンは「いいとも!やってやるよ!ぼくが極めつけのマヌケだと思ってるんだろ!」と言います。
チャーリーブラウンは、すんなりと受け入れるのです。
ルーシーは、この特別な 瞬間を1年間、楽しみにしていたから、走ってきてボールを蹴って欲しいと言います。これはルーシーの本音だと思います。
そしてルーシーはチャーリーブラウンに、ルーシーを信じて、また転倒してもらいたいのです。
二人の間で、このボールどかしは、暗黙の了解で行う恒例の儀式のようになっているように思えます。
普通なら三回くらいやれば、お互い飽きて自然消滅しそうなところですが、ここまでずっと続いているというのは、二人の間の信頼関係の証とさえ思えてしまいます。
私の感想としては、単純ですが、チャーリーブラウンは相当人がいい、そしてチャーリーブラウンは転倒の仕方が上手で、一度も怪我することなく良かったということです。
⑧【チャーリーブラウン ルーシーのフットボールのいたずら】まとめ
PEANUTSで、ルーシーには、またチャーリーブラウンに、フットボールをどかすいたずらをしてみたいという好奇心があります。
そしてルーシーには、チャーリーブラウンは自分を信じてくれているという、満足な気持ちがあると思います。
チャーリーブラウンはその時の気分により、ルーシーに合わせるわけではなく、自分の意志で動いていると思います。
チャーリーブラウンのチャレンジ精神は、諦めないという気持ちと遊び心からきていると思います。
チャーリーブラウンにしてみたら、ルーシーに対しては、騙されたというより、またフットボールのいたずらを成功させてしまったと思うところでしょうか。
一見ルーシーの方が賢いように見えますが、これはいたずらにひっかかってあげたチャーリーブラウンの勝ちだと思います。