PEANUTSでサリーは学校さん(校舎の外壁)と話をするという不思議な力を持っています。
サリーは声に出して話しますが、学校さんが声には出さずに思ったことがサリーには聞き取れるのです。
そのため他の生徒からサリーは学校に話しかけておかしいと言われてしまいます。
サリーは学校さんに一方的に話しかけているのではなく、会話しているのです。
①【サリーと学校さん 校舎の外壁と会話する】サリーが話しかける
1974年8月31日、サリーは学校の校舎の外壁に初めて話しかけます。
その時サリーは「学校さん」という呼び方をしました。
サリーはその時機嫌が悪く一方的に「さあ、学校さん、もうすぐ夏休みも終わりよ!」ときり出し「マヌケ学校!」「あなたのせいで味わうみじめさを考えてごらんなさいよ!」と言い出したら止まりません。
その姿を見たチャーリーブラウンは「みんなきみは気が変になったと思うよ」と言います。
サリーは「PTAや校長や教育委員会に話ができないのは確かでしょ!」「校舎はわたしの言い分に耳を傾けてくれるわ!」と言い返します。
学校が休みの土曜日と日曜日にサリーが来ないと、学校さんは寂しがるようになりました。
サリーがお腹の調子が悪く学校を休んだ日、サリーは学校から帰ってきたチャーリーブラウンに、サリーが何処に居たか学校さんに言いに行ってもらうのです。
サリーの姿が見えないと学校さんが心配するとサリーは思うのです。
学校さんはサリーが来るのを待っているのです。
学校さんはもう60年間学校の校舎をしていると言います。
サリーは学校さんのおかげで人生が変わったこと、学校へ行くのが大嫌いだったけど、学校さんと知り合ってから何もかも変わったことを学校さんに言ったところ、学校さんはとても喜びました。
学校さんはルーシーやライナスが学校さんの気に入らないことを言うと、レンガを落として体に当てて怒ったという意思表示をするのです。
学校さんははっきりしています。
サリーは学校で嫌なことがあったり勉強で悩むと、学校さんの所へ行くようになりました。
②【サリーと学校さん 校舎の外壁と会話する】学校さんの本音
学校さんは長い年月学校にいました。 そのため学校さんはいろいろ見ていろいろ知っています。
学校さんは若い頃は大きな大学のキャンパスに建つ、教養学部の校舎になるのを夢見ていたと言います。
ところが学校さんは小学校になってしまったといい残念がっています。
学校さんには夢がありました。
学校さんは質素な学校ではなく、礼拝堂や美術学校や音楽学校になりたかったと言います。
学校さんは絵葉書になるような建物になりたかったそうです。
学校さんにしてみたら学校であることを喜んではいないのです。
子供達はうるさいし単調な毎日だとぼやいています。
建物の造りにも職員からの苦情が多く、学校さんもストレスが多いのです。
サリーとの会話が学校さんの唯一のはけ口になっているのです。
サリーは学校さんに「学校であることを恥じちゃいけないわ…」「どれだけみんなの役に立ったか考えてごらんなさいよ…」と言い励まします。 優しいサリーです。
学校さんは、生徒なら誰とでも話したいと思っているわけではないのです。学校さんは少々気難しそうです。
学校さんは、サリーには思っていることをストレートに言います。
学校さんはサリーのことを信用して可愛く思っているのです。
③【サリーと学校さん 校舎の外壁と会話する】校舎崩壊
1976年1月9日、夜のうちに校舎が突然崩壊してしまいました。
朝チャーリーブラウンが新聞を見てサリーに伝えます。
レンガの学校さんは「耐えられるだけ耐えた」そうです。
サリーは「学校さん!学校さん!学校さん!」と叫びながらすっ飛んで学校さんのところへ行きました。サリーにとっては一大事です。
学校さんは崩れ落ちてサリーはがっかりしています。
学校さんの寿命がきたのですね。学校さんとサリーとの突然のお別れになりました。 信じられない悲しいお別れです。
崩れた学校さんはサリーに「愛してくれるんなら、瓦礫になっても愛しておくれ!」と言います。
そして崩れた学校さんは、隣街の学校の校舎のことは知っている、古顔ということ、基礎もしっかりしていることをサリーに話し、サリーの無事を祈っていました。
④【サリーと学校さん 校舎の外壁と会話する】隣街の学校さん
突然今までの学校さんが崩壊したので、サリーやチャーリーブラウンは隣街の学校へ通うことになりました。
サリーやチャーリーブラウンはペパーミントパティ、マーシー、フランクリンが通っている学校に一時期通います。
サリーは崩れた学校さんのことを、しばらく気が滅入っていて自殺したのだと思っていました。
サリーは自己紹介で自分はその学校から来たということを話します。
そこの学校の校舎の外壁のこともサリーは「学校さん」と呼び、サリーが話しかけると学校さんも話をします。
やはり他の生徒からサリーは校舎に話しかけて頭がおかしいと言われますが、サリーは「うるさい」と言い返します。
サリーと学校さんとの会話は続いていきます。 サリーの特権です。
⑤【サリーと学校さん 校舎の外壁と会話する】おじいさんはパリのホテル
1976年9月7日、崩壊した元の学校の場所に新しい学校が出来上がりました。
サリーは「新しい学校だわ!!ワーオ!」と言い喜びます。
もちろんサリーは新しい学校さんとも会話します。
そして無事一年が過ぎました。
サリーは学校さんに一年目を無事に切り抜けたことを自慢していいことを言うと、学校さんは「親父はぼくに空港ターミナルになってほしかったんだ」と言うのです。
学校さんは「おじいさんがパリのホテルだった」と言い「そこにはタクシーの長い列があり、美しい貴婦人や上品な紳士たちが、皆着飾っていた」と言います。
そして「でも自分にあるものは、スクールバス、レインコート、長靴」と言い悲観に暮れています。
そんなことないですよ。学校さんには可愛いサリーがいるではないですか、と私は思います。
学校さんは優雅なものに目を奪われるのです。
1985年8月の終わり、サリーが学校さんに、夏休みがもうすぐ終わり子供達がみんな戻ってくることを話すと、レンガ造りの学校さんはガタガタと震えるのです。
学校さんは数年学校の校舎をやってみて、子供達にまいってしまっています。
それでも学校さんにとっては、サリーと話すひとときは楽しい時間です。
⑥【サリーと学校さん 校舎の外壁と会話する】まとめ
PEANUTSでサリーは学校嫌いで宿題嫌いでも、学校さんという校舎の外壁とは親しい間柄です。
サリーは学校さんのおかげで人生が変わったと言っていましたね。
サリーは学校や宿題は自分をしばり付けるけど、学校さん(校舎)はサリーを守ってくれていると思っているのですね。
学校さんがいるからサリーは学校へ行ける、いいことです。
学校さんとサリーの会話は受動的でなく、能動的にサリーから学校さんに話しかけて生み出した力です。
つまりサリーには、自分で自分をいい方向に変えていく力が備わっているのだと思います。