PEANUTSでシュローダーは天才音楽少年と呼ばれています。
それはシュローダーがおもちゃのピアノで尊敬するベートーベンの曲を弾きこなすためです。
ベートーベンは世界に名高い天才音楽家・ピアニストで、シュローダーはベートーベンを大好きな天才音楽少年・天才おもちゃのピアノ少年です。
①【シュローダーとベートーベン 天才の二人 音楽愛】ベートーベン
ベートーベンの誕生日は、1770年12月16日です。(~1827年3月26日)
正式名は、ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンといい、ドイツの作曲家、ピアニストです。
ベートーベンは28才頃から難聴になり30才になる頃には全く耳が聞こえなくなり、特製のピアノを発注してピアノの弦を叩いた振動が伝わってくるようにすることで音の強弱を把握していたといわれています。
また口にくわえたタクトをピアノに接触させ、歯から伝わる振動から骨伝導での音を感じ、記憶の中にある音と重ね合わせ曲作りをしたともいわれています。
ベートーベンは平民出身で性格はかんしゃく持ちできれやすく、学校に飾られている肖像画の怖いイメージそのもので人付き合いもよくなかったそうです。
ベートーベンの弟子にベートーベンより26才年下のシューベルトがいます。
ベートーベンは56才のとき肝硬変で亡くなり、日本では「神聖」とも呼ばれ代表曲に「第九」「運命」等多々あります。
ベートーベンの人生は波乱にまみれた大変な人生でしたが、この世に残した名曲の数々は今も生き続けています。
シュローダーによるとベートーベンはボンに生まれて、56歳で雷雨の最中に死んだ!と詳しく、シュローダーはベートーベンの大変で苦しかった身の上の事情を深く理解した上でベートーベンを尊敬しているのです。
そしてシュローダーは「ベートーベンは史上最大の作曲家だよ!」と言います。
シュローダーは夏休みに家族旅行でヨーロッパへ行った時、ライン河畔のボンにあるベートーベンの家に行ったことがあり、ポーズしている自分が写っている写真を持っています。
②【シュローダーとベートーベン 天才の二人 音楽愛】おもちゃのピアノとの出会い
1951年5月30日に赤ちゃんで初登場するシュローダーは、同年9月24日にチャーリーブラウンからおもちゃのピアノを教えられ弾くように言われます。
チャーリーブラウンはおもちゃのピアノをおもちゃとして、シュローダーを遊ばせようとしたのだと思います。
その時シュローダーはその場で自分で作った即席の曲を、両手を使い弾きこなします。
しかもシュローダーはニコニコしています。
一緒にいたパティがバッハの曲と思う程に、シュローダーがその場で作った曲はメロディーになっています。
それからというものシュローダーはおもちゃのピアノを放さなくなり、仲間達はおもちゃのピアノを弾くシュローダーの所に楽しく足を運ぶようになります。
シュローダーはおもちゃのピアノに取りつかれたように、おもちゃのピアノ目掛けて走って来ます。
しばらくしてチャーリーブラウンはシュローダーを本物のピアノの前に連れて行きどのくらい上手か試してみようとしますが、シュローダーは「ワーン!」と言い泣き出し本物のピアノを弾きません。
シュローダーはすぐおもちゃのピアノの前に戻り、おもちゃのピアノなら弾くのです。
またバイオレットがママの本物のピアノを弾く機会をシュローダーに与えます。
シュローダーは最初は喜びますが何とバイオレットのママのピアノはグランドピアノで、シュローダーはそれを見て急に冷や汗が出て度胸が無いと言い、本物のピアノは弾かずいつものようにおもちゃのピアノを弾くのです。
何故かシュローダーはおもちゃのピアノに限って弾くのです。
そしてシュローダーはおとぎ話には興味がなく、チャーリーブラウンが読んでくれるベートーベンの伝記を嬉しそうに聞くのです。
シュローダーは音楽だけでなくベートーベン自身にも興味を持ち、おもちゃのピアノを弾くこととベートーベンに夢中です。
またシュローダーはベートーベンのレコードや、ベートーベンの伝記の漫画版全12巻も持っています。
シュローダーは仲間達と他の遊びももちろんしますが、シュローダーの主な楽しみはおもちゃのピアノを弾くことです。
シュローダーはクリスマスの曲や子供のための曲、ベートーベン以外の作曲家の曲を弾くのも得意です。
そしてシュローダーはベートーベンのことはもちろん偉大だと言っていますが、 ブラームスやショパンやバッハ等も好きで、 他の音楽家も皆偉大だと言っています。
しかしシュローダーは音楽なら何でも来いというわけではなく、ジャズという言葉は聞くだけで震えが来る程に嫌がります。
③【シュローダーとベートーベン 天才の二人 音楽愛】黒い鍵盤は塗ってあるだけのもの
シュローダーがおもちゃのピアノを弾いている所へチャーリーブラウンが来て、シュローダーのおもちゃのピアノの黒い鍵盤は塗ってあるだけということを発見します。
チャーリーブラウンはよく気付いたと思います。
そういえばおもちゃのピアノとはそういうものですね。
すかさずチャーリーブラウンはシュローダーに「そんな鍵盤でどうしてあんなむずかしい曲が弾けるの?」と聞くと、シュローダーは「猛練習するからさ!」と答えます。
シュローダーは10時間おもちゃのピアノの練習をすることがあるそうです。
いくら猛練習したところで半音の音は出せないのは確かな事ですが、シュローダーはうまく自分でアレンジして難しい曲を弾きこなしているのでしょうか。
次に二つ目の新たなおもちゃのピアノがクリスマスプレゼントで来た時も、その新しいおもちゃのピアノも黒い鍵盤は塗ってあるだけのものです。
ルーシーが「ピアノには7オクターブの音があるが、それと比べておもちゃのピアノにはたった1オクターブの音しかなく、そのため事実上、楽器としては役に立たない」という記事を読むと、シュローダーは興味深く聞き入ります。
とは言えシュローダーがおもちゃのピアノで弾くメロディーは素晴らしいメロディーです。
④【シュローダーとベートーベン 天才の二人 音楽愛】すぐきれる性格
ベートーベンはかんしゃく持ちですぐきれる性格だったといいます。
シュローダーはベートーベンが人嫌いだったことを知っています。
チャーリーブラウンがおもちゃのピアノを弾いているシュローダーに「きみはバッハなんだね!」「ハイドンだったきみはどこだい?」と冗談で言うと、シュローダーはいきなりチャーリーブラウンにおもちゃのピアノを投げつけます。
大切なおもちゃのピアノを投げつけるシュローダーですが、ルーシーに同じようにおもちゃのピアノを投げつけることも何度かあります。
またルーシーがおもちゃのピアノにもたれかかって話していて、シュローダーはルーシーに対して怒ると、おもちゃのピアノにもたれかかっているルーシーを急に滑り降ろすことが多々あります。
シュローダーもベートーベンのように短気なところがあるのでしょうか。
ベートーベンは女性に対しても怒りっぽかったといいます。
シュローダーはルーシーが話しかけてきて話題が気に入らないとおもちゃのピアノの前からいなくなります。
ベートーベンとシュローダーを並べて見ると、怒りっぽいところも似て見えてしまいます。
ルーシーがルーシーの家でホットチョコレートとマシュマロを食べないかとシュローダーを誘っても、シュローダーはおもちゃのピアノの鍵盤を思い切り叩いて断ります。
シュローダーのルーシーへの断り方もきれているっぽく激しい怒り方です。
これもベートーベンの影響でしょうか。
それともシュローダーはおもちゃのピアノを弾きたい一心だったのでしょうか。
そしてルーシーが将来自分とシュローダーが結婚したとしてという話をすると、シュローダーは徹底的に拒否します。
そしてシュローダーはきれますが、これは逆にはっきりしなくてルーシーに気を持たせるよりはいいと思います。
チャーリーブラウンがシュローダーにベートーベンの本を読んで聞かせます。
「ハンサムとは言えない顔立ちやぶっきらぼうな言動にもかかわらず、ベートーベンはウィーン上流社会で大変な人気者だった…」とチャーリーブラウンは読みます。
そして「彼は名家の出の者たちと個人的な友人となることさえあった…」とチャーリーブラウンが続けると、シュローダーは「当然だろ!」と大声を上げます。
シュローダーは単に興奮しただけでしょうか。
ベートーベンについて詳しくなると、性格の特徴ですぐきれるというのはインパクトが強いので、シュローダーがあまりにもベートーベンを大好きだとすぐきれるというところも似てしまうような気がします。
⑤【シュローダーとベートーベン 天才の二人 音楽愛】胸像
シュローダーはベートーベンの胸像を持っていておもちゃのピアノの上に置くこともあります。
寝る前はシュローダーはパパとママにおやすみを言った後、おもちゃのピアノの上のベートーベンの胸像にも「おやすみなさい、ベートーベンさん!」と言い、自分の声がベートーベンに届くと思うのです。
ベートーベンの胸像をおもちゃのピアノの上に置いてシュローダーがおもちゃのピアノを弾いていると、ルーシーがばかげていてうんざりと言いベートーベンの胸像をバットで打ってぶっ潰してしまいます。
しかしシュローダーは仕方ないので怒りません。
シュローダーはあと六個ベートーベンの胸像を持っているのです。
でもいくつ持っていようと大切なベートーベンの胸像を壊されるのは、シュローダーにとってはたまったものではありませんね。
⑥【シュローダーとベートーベン 天才の二人 音楽愛】音楽が全て
シュローダーはルーシーに「ぼくにとって音楽がすべてだ…素晴らしいシンフォニーを聴くと、生きててよかったと思う!音楽があるかぎり人生に何があっても恐くない」と言います。
まだ子供のうちから音楽に対してそう思えるシュローダーは幸せだと思います。
「ベートーベンのソナタを全部マスターするんだ…」とシュローダーは意気込みます。
シュローダーは作曲も試みています。
シュローダーとベートーベンの音楽好きは、もともとの素質だと思えるところが二人共よく似ています。
⑦【シュローダーとベートーベン 天才の二人 音楽愛】ベートーベンの誕生日
ベートーベンの誕生日は、12月16日です。(1970年)
シュローダーの誕生日は、1月18日です。
シュローダーはベートーベンが56歳で亡くなったことは頭に刻み込まれていますが、チャーリーブラウンにシュローダーのパパが何歳か聞かれて答えられません。
パパの年齢は毎年変わるのでシュローダーは分からなくなってしまうのでしょうか。
ルーシーによるとシュローダーは一年中ベートーベンの誕生日を待っていると言います。
それなのにシュローダーはベートーベンの誕生日を忘れてしまい、過ぎて次の日にチャーリーブラウンに教えられてガックリします。
ベートーベンを大好きなシュローダーにとっては毎日がベートーベンの誕生日のようだと思います。
そのため特別にベートーベンの誕生日を意識しないうちにベートーベンの誕生日が過ぎ去ったような気がします。
シュローダーは家に帰ってからベートーベンの胸像に誕生日を忘れたことを頭を下げて謝ります。
シュローダーはベートーベンの胸像に「言うべき言葉もない…」と言います。
そのため翌年はシュローダーはベートーベンの誕生日が近づくと「ベートーベンの誕生日まであとわずか( )日」と書いたプラカードを持って道を歩き、仲間達に知らせるのと同時に自分も忘れないように気を付けるようにしています。
シュローダーはベートーベンの誕生日に物を売り出したりすることで「ベートーベンの誕生日が商業主義化するのなんて見るのもいやだな!」と言います。
シュローダーはベートーベンの誕生日が物売りのために利用されるのが嫌なのです。
ベートーベンの誕生日は12月16日なのでクリスマスムードの時と重なります。
とうとう来たベートーベンの誕生日に、ルーシーがおもちゃのピアノを弾いているシュローダーにベートーベンのための「ハッピーバースデートゥーユゥ」を歌います。
他の年ベートーベンの誕生日が近づいてもプラカードを持たないでいたところ、シュローダーはまたベートーベンの誕生日を忘れてしまい過ぎてからルーシーに言われて気付きます。
シュローダーはルーシーに「ベートーベンの誕生日をよくも忘れられたわね?」と言われますがそう言われても仕方ないですね。
本当にシュローダーとしたことがどうしてなのでしょうね。
きっと綺麗なメロディーでシュローダーの頭の中がいっぱいで、いつの間にかベートーベンの誕生日が過ぎ去っていたのですね。
するとその翌年にはシュローダーは「ベートーベンの誕生日まであとわずか( )日」と書かれたプラカードを再び持って歩くのです。
シュローダーはベートーベンの誕生日には、仲間達を家に呼んで皆でケーキを食べてお祝いするのが一番嬉しいのです。
それが叶いシュローダーの家にチャーリーブラウン、ルーシー、スヌーピー、ライナスが来てベートーベンのための「ハッピーバースデートゥーユゥ」を皆で歌い皆でケーキを食べてベートーベンのお誕生を祝いシュローダーは満足します。
仲間の中で一番ベートーベンの誕生日を気に掛けているのはルーシーです。
ルーシーはベートーベンの誕生日にシュローダーに「ベートーベンの誕生日おめでとう!」と言い、シュローダーと一緒にベートーベンのことをいつも以上に話題にします。
ルーシーはベートーベンの誕生日にシュローダーにお弁当箱やカップケーキ等をプレゼントしています。
その中でもルーシーがカップケーキをプレゼントした時のシュローダーは「覚えててくれたんだね!信じられないよ…驚いたなあ!」と言いとても喜び、シュローダーはルーシーのホッペにキスをします。
シュローダーがルーシーのホッペにキスをするなんて信じられないことで、シュローダーは本当に嬉しかったのです。
しかし目をつぶっていたルーシーは近くにいたスヌーピーにキスされたと思い、叫んで走って行ってしまいました。
シュローダーは「違うよ!待てよ!ルーシー、違うってば!」と大きな声で言いルーシーに勘違いを知らせようとしました。
ルーシーからの心のこもったカップケーキ。
シュローダーはルーシーにありがとうの気持ちでルーシーのホッペへキスしたのです。
⑧【シュローダーとベートーベン 天才の二人 音楽愛】まとめ
PEANUTSでシュローダーの中にはベートーベンと音楽愛が根付いているという印象を受けます。
シュローダーはベートーベンの伝記を読んでベートーベンの人物像を意識していると、ベートーベンの激しい性格まで似ているところがあるように思えてしまいます。
シュローダーとベートーベンの一番似ているところは、音楽に没頭し音楽のために生まれてきたように思えるところです。