PEANUTSでバレンタインデーが来ても、チャーリーブラウンはバレンタインカードをもらえずにいます。
チャーリーブラウンは知っている人全員にカードを送ってもお返しのカードをもらえず、せっかくのバレンタインデーがゆううつな日になっていますが、きっと今は幸せな未来のための待機期間だと思います。
- ①【バレンタインデー 幸せな未来を待っている】バレンタイン/ヴァレンティヌス
- ②【バレンタインデー 幸せな未来を待っている】チャーリーブラウンはカードをもらえない?!ゆううつな日だなぁ~
- ③【バレンタインデー 幸せな未来を待っている】シュローダーが立ちはだかる
- ④【バレンタインデー 幸せな未来を待っている】スヌーピー
- ⑤【バレンタインデー 幸せな未来を待っている】赤毛の女の子へ
- ⑥【バレンタインデー 幸せな未来を待っている】チャーリーブラウンは愛情深い人
- ⑦【バレンタインデー 幸せな未来を待っている】ペパーミントパティとピッグペン
- ⑧【バレンタインデー 幸せな未来を待っている】シュローダーとルーシー
- ⑨【バレンタインデー 幸せな未来を待っている】サリーとライナス
- ⑩【バレンタインデー 幸せな未来を待っている】親切な郵便受けと郵便ポスト
- ⑪【バレンタインデー 幸せな未来を待っている】まとめ
①【バレンタインデー 幸せな未来を待っている】バレンタイン/ヴァレンティヌス
日本はキリスト教圏ではないので、バレンタインは女性が男性にチョコレートを贈る日とされ、日本や韓国ではホワイトデー(White Day/主に男性から女性へお返しのプレゼントをする日)が派生して存在しています。
バレンタインデーがチョコレートを贈る日とされているのは日本だけで、お菓子業界のキャンペーンにより2月14日は女性から好きな男性にチョコレートを贈って告白する日という習慣になったといいます。
世界ではバレンタインデーは男性が女性に花などを渡す愛の祭日になっています。
欧米のキリスト教圏ではお祝いとして、バレンタインデー(Valentine’s Day)または聖バレンタインデー(St.Valentine’sDay)と言い、毎年2月14日にカップルが愛をお祝いする日とされ、一般に恋人や家族など大切な人に贈り物をする習慣になっているといいます。
アメリカではバレンタインデーに恋人や夫婦間、また家族や子供のクラスメイト、先生、友達やペットなど幅広くプレゼントを贈る習慣になっています。
プレゼントの品物はチョコレートに限らずお菓子類、カード、ジュエリー、花束など様々です。
バレンタインという言葉はローマ帝政時代に実在していた愛の聖人ヴァレンティヌス(西暦175年~269年2月14日)にちなんでいます。
当時のローマ皇帝は若い兵士が結婚し妻を故郷に残すと兵士の士気が弱まると考え、若い兵士の結婚を禁止していました。
キリスト教の聖職者で司祭のヴァレンティヌスは若者たちを哀れみ極秘で結婚式を司り、皇帝からの度重なる警告にも関わらず信念を曲げなかったため、2月15日の豊穣祭ルカぺリア祭りの前日2月14日に生贄(いけにえ)として処刑(絞首刑)されてしまいました。
そのためヴァレンティヌス司祭の命日2月14日が愛の日となったのです。
悲しい逸話です。
チャーリーブラウンは1952年のバレンタインデーで、まだ三つ編みのお下げ髪の幼いバイオレットからバレンタインカードをおねだりをされていますが、チャーリーブラウンは「ぼくもあげたよ!」と言います。
バイオレットは沢山のバレンタインカードをもらうので、チャーリーブラウンからのバレンタインカードに気付かなかったのでしょうね。
チャーリーブラウンが自分に買えた一番大きいカードを買ってバイオレットにあげたことを言うと、バイオレットはとても嬉しそうです。
キリスト教の国ではバレンタインデーにカードをもらうことは、カードに込められた愛をもらったということになるのですね。
②【バレンタインデー 幸せな未来を待っている】チャーリーブラウンはカードをもらえない?!ゆううつな日だなぁ~
幼い時からチャーリーブラウンはバレンタインカードを一枚ももらえないため、毎年つまらない思いをしています。
チャーリーブラウンは「誰もぼくを愛してくれない…みんなぼくをきらってる!」と言うことが口癖になってしまっています。
仲間達は何枚ものバレンタインカードをもらっているのに、チャーリーブラウンは自分は何ももらえないとなると、楽しいはずのバレンタインデーが暗い気持ちのストレスの日になってしまいます。
毎年バレンタインカードをもらえないチャーリーブラウンを見ているスヌーピーが、チャーリーブラウンのことを「可哀そうな、チャーリーブラウン」と思っています。
犬のスヌーピーの方が人間の女の子よりずっと優しいですね。
余談ですがちなみに今スヌーピーは飼い主のことをチャーリーブラウンと言いました。ご飯をくれる丸頭の子とは言いませんでした。スヌーピーは「POOR CHARLIE BROWN」と言えていますので、飼い主チャーリーブラウンの名前を実は知っているということですね。
チャーリーブラウンは知っている人全員にバレンタインカードを送ったのに一枚ももらえない、ピッグペンもスヌーピーももらえているのに自分はもらえない、これはどういうことなのでしょうか。
チャーリーブラウンは「バレンタインデーなんかなければいいのに…」と独り言を言いますが、そう思ってしまうのは無理もないと思います。
30枚のバレンタインカードをもらったと言うフリーダからカードを何枚もらったかと聞かれたチャーリーブラウンは「ヒーヒーヒーヒー」「HAHAHAHAHA」と引きつったように大声で言いその場を去って行きます。
後にチャーリーブラウンは30通バレンタインカードを送って1通ももらえないと言っています。
③【バレンタインデー 幸せな未来を待っている】シュローダーが立ちはだかる
1963年バレンタインデーから一カ月以上過ぎてからバイオレットがチャーリーブラウンに「チャーリーブラウン、わたしね、今年あなたにバレンタインカードあげなかったのがとても後ろめたいの…これ、受けっ取ってね」と言いバレンタインカードを差し出します。
そこでチャーリーブラウンと一緒にいたシュローダーはチャーリーブラウンの前に立ちふさがります。
そしてシュローダーはバイオレットに「優しさや思いやりはあと出しできるものなのかい?」「きみやきみの友人たちみたいな思いやりのない連中には会ったことがない!チャーリーブラウンのことなんか気にもしてないんだ!後ろめたさがいやなだけなんだ!」と言います。
日頃からシュローダーはバイオレットのチャーリーブラウンへの意地の悪さを見ていて、目の前で起きたこの出来事によってシュローダーはバイオレットに対して思っていることが一気に爆発して、チャーリーブラウンをかばったのだと思います。
しかしシュローダーがバイオレットに「言わせてもらうけど…チャーリーブラウンはそんなもの欲しく…」と言った時チャーリーブラウンは「邪魔しないで…ぼくそれもらうよ!」と言い、バイオレットの方に手を差し出すのです。
チャーリーブラウンにしてみたらバイオレットからのバレンタインカードが、例え一カ月遅れでも、中古のバレンタインカードでも、お返しとしてくれるだけの義理のバレンタインカードでも、バレンタインカードには変わりないのでしょうね。
そしてバイオレットからのその後出しのバレンタインカードであっても、チャーリーブラウンはとても嬉しく感じるのかもしれません。
それにしても、チャーリーブラウンをかばってバイオレットの前に立ちふさがったシュローダーはかっこいいです。
④【バレンタインデー 幸せな未来を待っている】スヌーピー
スヌーピーには、チャーリーブラウンの家の郵便受けから溢れ出る程の沢山のバレンタインカードが送られて来ます。
あまりに沢山のバレンタインカードで一通ずつチャーリーブラウンが宛名を確かめますが、最後の一通まで全てスヌーピー宛のものです。
スヌーピーには離れて暮らしていて普段は会えない女の子の知り合いや友達から一斉にバレンタインカードが届くのでしょうね。
スヌーピー宛のバレンタインカードの差出人の欄には、全て可愛い女の子の名前が書かれています。
スヌーピーが郵便受けの中に入って送られてくるバレンタインカードを待っているので、代わりにチャーリーブラウンが郵便受けの中に入って郵便を待ちます。
ところがその時バレンタインカードは一通も来なかった上に、チャーリーブラウンは郵便受けからきつくて出られなくなってしまい本当にかっこ悪い姿ですが、それ程にチャーリーブラウンはバレンタインカードを待っているのです。
⑤【バレンタインデー 幸せな未来を待っている】赤毛の女の子へ
チャーリーブラウンは好意を寄せている憧れの赤毛の女の子のために特別にバレンタインカードを作り、実際に手渡しする練習をあれこれと繰り返します。
チャーリーブラウンは一人で「ああ、赤毛の女の子さん、ぼくがきみを好きなくらい、このバレンタインカードを気に入って欲しいんだ…」と言いますが、チャーリーブラウンは我に返った後、匿名で郵送するのです。
思いを込めて作ったチャーリーブラウンの赤毛の女の子へのバレンタインカードは可愛いものです。
バレンタインカードが届いても差出人が分からないと赤毛の女の子は困惑すると思います。
またお返しのバレンタインカードも赤毛の女の子からは届きませんが、チャーリーブラウンはそれでいいのですね。
照れ屋さんのチャーリーブラウンなのです。
他の年はチャーリーブラウンは赤毛の女の子のためにハート型のキャンディを買い、木の後ろで赤毛の女の子が通ると想定してハート型のキャンディを差し出す練習までしたのですが、恥ずかしくて渡すことが出来ませんでした。
チャーリーブラウンは「ほら、これあげるよ…きみのこと好きなんだ」というセリフは考えてあったのですが、言えずに終わってしまいました。
チャーリーブラウンは奥手なのですね。
⑥【バレンタインデー 幸せな未来を待っている】チャーリーブラウンは愛情深い人
チャーリーブラウンはペパーミントパティとの会話の中で、バレンタインの贈り物は大きさは重要ではなく、値段も愛とは関係なく、郵送か手渡しかも大した違いは無いと言います。
そしてチャーリーブラウンはペパーミントパティにこれまで沢山贈り物をもらってきたかと聞かれ「いいや、ひとつももらったことないよ…」と答えます。
するとチャーリーブラウンはペパーミントパティに「じゃあ、あなた相手に相談して何の意味があるのよ?バレンタインもらい慣れてる人に相談すべきなのに!」と言われてしまいます。
でも目の前をバレンタインカードをもらい過ぎたスヌーピーが、抱えきれずに何通か落として歩いて行きます。
チャーリーブラウンの言葉に、バレンタインカードをもらい慣れているとかもらい慣れていないとかも大して関係ないということを付け加えたいと思います。
⑦【バレンタインデー 幸せな未来を待っている】ペパーミントパティとピッグペン
ペパーミントパティがチャーリーブラウンにバレンタインデーのディスコダンスの相手を探して欲しいと頼んだところ、チャーリーブラウンはペパーミントパティにピッグペンを紹介します。
ペパーミントパティは最初は汚れているピッグペンを見て叫び声をあげましたが、ピッグペンはだいぶ変わっていてもダンスは上手で、ペパーミントパティはピッグペンとダンスをしてとても楽しい思い出ができピッグペンに恋してしまいます。
ピッグペンはチャーリーブラウンに「パトリシアは並の子じゃないね…ぼくの格好のこと、一度としてとやかくいわなかったんだよ?」と言います。
マーシーはピッグペンに電話して確かめたところ、ピッグペンはペパーミントパティのことを好きだと認め、またダンスに誘おうと思っているということです。
しかしマーシーが「来年のバレンタインデーに…」と言うと、ペパーミントパティは「ギャアア!」とがっかりの悲鳴をあげます。
次のピッグペンとのダンスが一年も先では、ペパーミントパティは待ちくたびれてしまいますね。
ピッグペンのことを、見かけではなく中身で見たペパーミントパティは素敵な女の子ですね。
⑧【バレンタインデー 幸せな未来を待っている】シュローダーとルーシー
シュローダーは毎年意識的にルーシーにバレンタインカードを渡しません。
それはシュローダーはルーシーに誤解されたくないからだと言います。
シュローダーがルーシーを見ることに耐えられると思われては困るからだとシュローダーは言います。何か仲のいい痴話喧嘩のようですね。
1977年バレンタインデーの前日、ルーシーがシュローダーに「バレンタインカードをあげる女の子には、すごく熱あげてなきゃいけないって考えは間違いよ…」と言います。
そしてシュローダーが「やっとこさ我慢できるって程度では?」とルーシーに聞くとルーシーは「そうね、かまわないと思うわ、でも…」と答えます。
その次の瞬間何とシュローダーはルーシーに「バレンタイン、おめでとう!」と言いハートの書いてあるバレンタインカードを渡したのです。
いきなりシュローダーは渡したのですが、これはあらかじめシュローダーはルーシーにバレンタインカードを渡すつもりで用意してあったということです。
思いがけないことすぎてルーシーには言葉もなく、逆にルーシーは少しずっこけた様子です。
⑨【バレンタインデー 幸せな未来を待っている】サリーとライナス
サリーはライナスのことが大好きですがライナスのことを「わたしのバブーちゃん(赤ちゃん)」と呼ぶので、ライナスは機嫌が悪くなり、サリーはライナスからのキャンディ等のプレゼントを心待ちにしていますがもらえていません。
またサリーは自分で手作りのバレンタインカードを作りライナスの家に持って行きますが、サリーがライナスのことを「バブーちゃん」と呼ぶことでライナス気分が悪くなるので渡すのに手こずっています。
ライナスはサリーにバブーちゃんと呼ばれると反射的に不愉快になるので、せっかくのバレンタインデーも台無しになってしまいます。
ライナスがサリーに自分を呼んでもらう時、ライナスの気に入る呼び名で呼んでもらえればもっと楽しく過ごせると思います。
呼び名は大切なものですね。
⑩【バレンタインデー 幸せな未来を待っている】親切な郵便受けと郵便ポスト
チャーリーブラウンの家の郵便受けは「わたしは同じことをもう何年も考えている…」と郵便ポストに言いに来ています。
そしてチャーリーブラウンが郵便ポストにバレンタインカードを出しに行った時、郵便ポストは「彼女がまだきみを愛してないなら、バレンタインは無駄だよ!」と言い、チャーリーブラウンが投函したカードを投函口から外に放ります。
更に郵便ポストは「言うこと聞けよ、坊や…失恋するだけさ…バレンタインは出さずにおくんだ!」と言い、チャーリーブラウンが地面から拾って再度投函しても受け入れずに外へ放ります。
チャーリーブラウンがバレンタインカードを郵便ポストに投函し、郵便ポストは受け入れず投函口から放り出すことを4回も繰り返します。
しかしその都度拾っては投函するチャーリーブラウンに郵便ポストの方が諦め、5回目のチャーリーブラウンの投函で郵便ポストは「まあ、いいさ…わたしゃ知らんぞ!?」と言い、5回目で投函が受け入れられてしまいます。
もちろんチャーリーブラウンには郵便ポストが言っていることは聞こえていません。
チャーリーブラウンは家に帰ってサリーに「角の新しいポストって変わってるね…」と言います。
チャーリーブラウンの家の郵便受けは事前に新しい郵便ポストの所へ行き、チャーリーブラウンはこれまでバレンタインの度お返しのバレンタインカードが送られて来なくて可哀そうな思いをしていることを話したのだと思います。
そしてその話を聞いた新しい郵便ポストが、チャーリーブラウンのバレンタインカードを受け入れないで外に放ることで、チャーリーブラウンにお返しのカードが届かなくて寂しい思いをしなくて済むように取り計らったのだと思います。
郵便受けと郵便ポストは、チャーリーブラウンに出来る限りのことをして見守ってくれています。
また郵便受けと郵便ポストは、チャーリーブラウンにいつの日か来る素敵なバレンタインに望みをかけてくれているに違いありません。
⑪【バレンタインデー 幸せな未来を待っている】まとめ
PEANUTSでバレンタインデーの出来事で不思議なことは、やはりチャーリーブラウンがバレンタインカードをもらえないということです。
郵便受けと郵便ポストがチャーリーブラウンのことを思いやる気持ちには胸を打たれます。
きっとバレンタインの神様がチャーリーブラウンに、大本命の相手から素敵なバレンタインカードがいつか必ず来るように仕向けていて、今はまだ待機期間ということなのだと思います。
私はチャーリーブラウンの大大大ファンなので、私は心の中でチャーリーブラウンに百万本のバラの花と百万通のバレンタインカードを贈ります。